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平成16年(2004)
12月31日(金)雪
真っ白な大晦日となった。きのうは春を思わせるような暖かさだったのにうってかわった天気である。昼前にはやんだ。竹の葉に積もった雪がばさっと落ちる。モズがけたたましく声を上げて飛び去る。それでも雪のためかとても静かなおおつごもりである。
29日には餅つきをし,久しぶりにそろった家族で食事をした。
ロウバイが咲き始めた。甘く香る。

12月25日(土)雨
冬らしくなった。ふとんから出るのがつらい。霜にあたった鉢もあり,月下美人などを玄関のたたきに入れた。水やりを怠ったためしおれたシャコバもある。
ホームセンターに行ったらクリスマスツリーが9割引とか。お買い得である。ケーキも安くなっているんだろうなー。
県道べりの本屋をのぞいたら,宮部さんの新刊『日暮らし』上下巻(講談社)が平積みにされていた。ここは我慢して広文館で買うことにする。正月休みの本はこれで決まりだ。楽しみである。
12月23日(木)晴れ時々曇り
青春18キップを使い,四国の寺へ行った。讃岐路は暖かく,歩くのにとても気持ちがいい。行き交う人が親切に道を教えてくださりうれしくなる。善通寺駅をおりて,寺へ行く途中,犬を散歩させていたご婦人から声をかけていただき,親切に山の名前やみどころをていねいに教えてくださった。歩いておればこそである。
善通寺のお参りを済ませ,甲山寺へ。そこへ行く途中でもご老人3人が指をさして,あっちだあっちだと教えてくれた。讃岐はまたうどん屋が多い。手打ちさぬきうどんの工場のようなところで昼にした。いなり寿司とかけうどんの大を食べて400円。安い!
出釈迦寺まではミカン畑の中をゆく。いろいろなミカンがなっており,収穫の真っ最中だった。寺の山号にもなっている我拝師山の中腹に,この寺はあった。弘法大師が幼少のころ身を捨てて法を求めようとしたら天女が出て助けたという。我拝師山の切り立った所を「捨身が嶽」というらしい。
善通寺でのご婦人が言っておられた,西行が結んだという「西行庵」へ行ってみることにした。小さな道しるべだがたどって行くと山の中腹に小さな庵があった。ここまでの道のりも汗でじっとりするくらいであった。
かなり歩いて駅から離れたので帰路はどうするかと思っていたら,市民バス「空海号」という福祉バスの停留所を見つけ,時刻表にある時間にバスがやって来,乗せてもらった。まさにバスのお接待である。運転手さんは四国遍路のバスにも乗っていたと言われ,話がはずんだ。
5か寺巡ることができ,よい1日だった。


12月21日(火)晴れ
今日は冬至。この日カボチャを食べると中風の予防になるとかで,夕食は山のように皿に盛られて出てきた。
まじないと思いしっかり食べた。案外いける。昨日は職場の忘年会で豪華な中華料理をいただいたが,今日は慎ましやかな食事だ。
読みたかった諸井玲子著『お鳥見女房−鷹姫様』(新潮社)を図書館で借りることができ,うれしい。諸井さんのシリーズもので単行本化が待ち遠しかった。幕府直参の鳥見役のおおらかな女房の周りで繰り広げられる時代劇ホームドラマがとても心地よい。さらに文庫化が待ち遠しい。

12月12日(日)曇りのち雨
暖かい日が続く。しかし油断しているとサボテン類に霜を受け,あとでよく泣きを見る。花が咲くと急に夏の鉢替えをしてやればよかったと反省する。根詰まりをして葉がトロンしてやっと花を咲かせたシャコバが多くある。ぞんざいていねいである。いや,ていねいもあやしい。なにか最近はすべてがぞんざいである。
きのうは自転車で町に出かけ,古本屋に寄った。鷺沢萌(本当はくさかんむりに朋とかく)と高樹のぶ子,井上ひさし各氏の単行本を買った。三冊で300円。ちょっとうれしい。
11月28日(日)晴れ
朝はかなり冷え込むようになり,なかなか布団から出られない。
キリンウチワに接いだシャコバが開き始めた。たしか「フリーダ」という品種名だったと思う。明るいオレンジ色できれいだ。


11月21日(日)晴れ山沿いで一時雨
まず,yoshikoさんの実家近くで行われた「米フェスティバル2004」に。さすが米どころ岡山平野にふさわしい米をテーマにしたイベントの数々に目をうばわれた。干拓時にいち早く導入した耕耘機第一号なども展示されていた。yoshikoさんの母上はしめ縄作りに没頭していた。米がテーマだから米を使った食べ物も多い。ポン菓子や餅など。岡山名物「フナ飯」も食べた。これはなつかしい味であった。
次に,車は進路を北に向け,成羽町へ。成羽町美術館では,「住友コレクション−知られざる名画」という特別展が行われていた。この美術館も尾道の美術館と同じように建築家安藤忠雄氏の設計によるもので,独特の意匠を凝らした建物自体が美術品である。
帰りはおきまりの,直売所のはしごであった。ゴボウやらコンニャクやらの買い物でトランクはいっぱいである。


11月20日(土)晴れ
タマネギはすでに師匠によって植えられていた。早生と晩生とがあるとのこと。肥料はまだやらない。苦土入りのものを用意しているがいつ施せばいいのかわからない。まだまだ見習いがつづく。
ネーブル(おへそ)オレンジが色づいていた。


11月14日(日)曇り
去年のいまごろタマネギの苗を植えたのだが,今年は苗そのものが不作らしくあちこちで品薄とか。
yoshikoさんの実家でも苗がうまくあがらなかったという。それでもなんとか400本確保することができ,畑を師匠と用意した。去年は師匠このあと神経痛で入院した。
図書館に予約していた本が入ったと,メールの知らせがあった。畠中恵著『ねこのばば』(新潮社)。あの「しゃばけ」シリーズだが,蒲柳の質の若旦那が取り巻きの妖怪たちと難事件をつぎつぎ解いていく痛快時代劇ミステリーだ。
それと小関さんの『羽田浦地図』(現代書館)も借りた。小関さんの最初の小説で,いちど読みたかったものだ。

11月13日(土)晴れ
芋掘りを終えた。地味がやせたのか,出来はあまりよくなかった。甘みも少ない。ま,なにも手入れをせず収穫するのだから天からの恵みとして,ありがたくいただくこととする。
空は突きぬけるような青で,山の畑を吹き抜ける風は汗を快く乾かしてくれる。鍬を置いて眺める荒れ果てた山の雑木は,赤くはならないが心持ち黄色くなったようである。やっかいな葛の葉も色づき始めた。今年の冬は少しは開墾部分が広げられるだろうか。
干し柿のソフト仕上げ,あんぽ柿というらしい。上品な甘さでなかなかいける。
シャコバサボテンの木キリンに接いだ株に花芽ができはじめた。

11月10日(水)晴れのち曇り
やはり老人力がパワーアップしたように思う。広島駅のキヨスクで池宮彰一郎作『最後の忠臣蔵』(角川文庫)を手にとり,それが先日ちょっとテレビで見かけたNHK金曜時代劇の原作であることを本の帯で知り,即座に買った。車内でめくっていると,これは『四十七人目の浪士』の改題とあるではないか。それなら家にハードカバーで有る。同じ本を買ってしまった。読んだことがある。寺坂吉右衛門のことではあるなと思いながら,チャンネルを変えたがそのドラマ化だったのだ。
池宮さんといえば有名なシナリオライターながら,この本を出したときは70歳だったと記憶している。『四十七人の刺客』というするどい視点で忠臣蔵を描かれた作家でもある。高倉健が大石内蔵助で映画にもなった。
テレビ『最後の忠臣蔵』も見ながらもう一度復習しようと思う。

11月7日(日)快晴
今日も芋を掘った。さぞやたくさんの作付けをしていると思われるかもしれないが,10メートルほどの畝を一畝掘ると汗びっしょりになってその場にへたり込むのだから,はかが行かないのである。ふた畝掘って今日はやめにした。キクイモも少し掘った。
午後,玉島の図書館に本を返しに行ったところ,新しい発見があった。なんと図書館の本がインターネットから検索できさらに予約することもできるのである。さっそく申し込むこととした。これからは読みたい本がすぐに借りれることと思う。もう一つ積ん読の効用の発見。『森は海の恋人』の著者畠山重篤さんを端末で検索したら,『井上ひさしの農業講座』(家の光協会)に講師陣として載っているではないか。この本なら家にある。読んでおらず積ん読だけだったのだ。家に帰り,さっそく取り出す。平成9年発行の本である。もっと早くこれを読んでいればもっと畠山氏のことや小関智弘氏のことを知り得たのにと思う。

11月6日(土)晴れ
山の畑の芋を掘った。約40キロほどを動力一輪車に乗せて山道を下る。エンジンブレーキがきくのでバランスだけとればいいのだが,運動不足がたたり,山を下りるだけで汗がびっしょり足はくたくた。午前中で一休み。

『リアスの海から−森は海の恋人』(文春文庫)を寝ころんで読む。本当は寝ころんで読んだりしては罰が当たる本である。著者畠山重篤さんは三陸リアスで牡蠣養殖を本業とする漁師だが,「海の力を育て,元気にしているのは,海に水を注ぎ込んでいる山の森である」(木村尚三郎東大名誉教授の解説を引用)ことを突き止め,山に木をそれも広葉樹を植える呼びかけを最初にした人だ。この運動がもう十年以上になり大きな成果を上げている。宮城県気仙沼での豊かな少年期の様子を,読む者をぐいぐい引き込む魅力的な筆致で描いている。

11月3日(水)晴れのちにわか雨

午前中,山の畑のピーナッツを掘る。時期としては遅いようである。鍬で掘ると軸がちぎれて豆が土にかなり残ってしまう。そこで小さい草けずりで土をほじくる。そうすると土に残ったピーナッツがぽろっぽろっと出てくる。まるで磯でアサリを掘っているようである。楽しくなり畑全部を掘った。おかげで収穫後の耕耘ができた。
サツマイモの花が咲いていた。
昨年,U野さんから頂いたヒラタケのほだ木から大きなキノコが出ているではないか。さっそく収穫した。