2001年9月10月
10月14日(日)晴れ
申し分のない祭り日よりだった。神社の境内においては二つの町内の千歳楽と出会い,お互いに担ぎあうという場面もあった。
10月13日(土)晴れ
祭りのいちばんの出し物,千歳楽の飾り付けをした。ここは祭りのベテランに登場してもらう。この準備がたいへんだが祭りの気運が高まる瞬間でもある。「これはどこに結びつけるんじゃったかなー」とかわいわいやりながら進めた。夜は提灯に火をともし練り歩いた。
10月12日(金)晴れ
祭りの日に生まれた。「だからおまえはしあわせだ」だと言われてきたが,なんか半分ごまかされたような気分でもあった。昔は氏神様の秋祭りの日にちは土日に関係なく決まっていた。小学校でさえウイークデイに祭りが当たると午前中で授業は終わっていた。金曜土曜が祭りであると,うんと祭りの余韻に浸っていることができた。千歳楽(せんざいらく−太鼓台)の遠太鼓の音にもわくわくするが,やはり祭りのごちそうが楽しみだ。甘酒,天ぷら(レンコンが一番好き),水ようかん,マツタケ,カニ,ままかりの酢漬け,たこのぬた,ちらしずし,サワラの煮付け,ハモの吸い物などが代表的である。マツタケとカニは高くて食べられないが,大体はつくってもらえる。
ことし最初のシャコバ
10月6日(土)晴れ
あらためて小関智弘さんの本を紹介したい。『仕事が人をつくる』という岩波新書である。その道のプロ10人を心憎いばかりに歯切れのいい文章で記録されている。直接ご自身が会って,聞き書きしたものだ。研削工,プレス加工,光学機器,瓦職人,染色工,歯科技工士,大工,蒲団屋,椅子職人,空師という様々な職人たちの技を,町工場(まちこうば)作家ならではの視点で描いている。
昨年5月,くらしき作陽大学の公開講座「百人百話」ではじめて氏にお会いして,それからはこの人が忘れられない存在となった。
『仕事が人をつくる』の奥書のうえに,「小関智弘 1933年東京に生まれる。都立大附属工業高校卒業後,51年から大田区内の町工場で働きつつ作家活動を続ける。現在はNC旋盤を駆使するこの道50年,退職後も頼まれれば腕をふるうベテランの“粋な旋盤工”。著書に『粋な旋盤工』『大森界隈職人往来』『ものづくりに生きる』『鉄を削る』『町工場の磁界』『羽田浦地図』『春は鉄までが匂った』『町工場・スーパーなものづくり』など」とある。
小関さんの色紙
10月2日(火)晴れ
朝の通勤経路は人それぞれであるが,だいたい余程のことがない限り同じところを通るのではないかと思う。
職場まで西川緑道公園(岡山市)沿いに歩いていく。ずっと川沿いに木々が植えられており,その木々によって季節を感じることができるので,この道が好きだ。春はコブシに始まり,桜や桃やツツジが咲く。夏でもサルスベリの白とピンクが競って咲く。
このあいだから椎の実とコブシ(名前の由来は実が子どもの拳(こぶし)に似ているからだとか)の種を拾いながら歩いている。
今年のキンモクセイの花は例年より早いようだ。西川沿いにあるキンモクセイが今いっせいに咲いている。甘いにおいが川の流れと一緒に南へ下っているように思える。
木犀のにおいとともに遠太鼓
むかし,今はなき上司におそるおそる見てもらったら,「なかなかいい」と言っていただいた一句(?)である。
キンモクセイは,香るのではなく,あれは甘くにおうのだと思う。あのにおいをかぐと,祭りの太鼓の音が遠くから聞こえてくるのが,わたしのなかにある原風景である。
9月30日(日)雨
きのうの天気とはうってかわり,朝から雨がふっている。きょう予定していた小学校などの運動会はすべて延期だろう。
遅れ遅れになっていた愛車?のエンジンオイルの交換をしてもらい,ショッピングモールの本屋をのぞいた。
新聞広告でチェックしていた小関智弘さんの新刊『仕事が人をつくる』(岩波新書)を買った。ほかに,図書館で借りて読んだが文庫本となった宮部みゆきさんの『人質カノン』(文春文庫)と,パソコン雑誌も買う。
『仕事が人をつくる』の冒頭で,里庄町にある安田工業鰍ノ働く,機械の主軸を仕上げる児玉繁光さん(岡山マイスター)が紹介されている。
岡山県内,しかも隣町といってよい距離のところに世界のフェラーリが選んだ工作機械のメーカーがあるということを知ったのも小関さんのお話からである。すごい技能集団があるということもだ。安田工業には誤差を0.5ミクロン以下にする研削技能者,仕上げ技能者が多くいるらしい。
児玉さんはこともなげに「神業ではない。かんどころさえつかめば誰でもできる」という。仕事を楽しんでいるともいう。それは人一倍の努力のたまものとすぐれた指導者にもめぐまれたからだと小関さんはいわれる。
一度工場を見学してみたい。
9月29日(土)晴れ
職場のレク行事のひとつであるソフトボール大会が旭川の河川敷であった。
スポーツと名のつくもので得意なものは何一つない。子どものころから尻込みをしてあまり親しもうとしなかった。だから心からスポーツを楽しむことを知らない。それでも太陽の下で動き回ったあとはなんとなく爽快さを感じる。それでいいのだろう。
9月24日(月)快晴
倉敷市玉島の干拓地ハーバーアイランド近くにあるフラワーフィールドに行った。5ヘクタールはあると思われるところへコスモスが植えられている。花の盛りにはちょっと早い感じもしたが,それでもすごい花の量だった。白とピンクの花が風にゆれすがすがしい気分になる。道を挟んで向かいの土地には数千台の自動車が,船に積み込まれ輸出されるのを待っていた。
9月22日(土)晴れ
朝は肌寒いくらい気温が下がった。日が短くなったのでシャコバサボテンも早生種には花芽がついている。花芽を作るためにも葉の先をピンチする必要があり,水やりも少し控えるようにするのがこれからの管理だ。
午後1時,くらしき作陽大学に行く。公開講座「百人百話」のプラス1として「21世紀をいかに生きるか」と題するシンポジウムに参加した(於聖徳殿)。パネリストは松田英毅学長,中 雄一元NHKプロデューサー,越宗孝昌山陽新聞常務取締役,田中英機作陽大学教授という方々だった。「百人百話」の総仕上げということと,アメリカでの惨劇のこともあり,それぞれのご専門の立場から多くの提言がなされた。中さんは「NHKスペシャル」を多く手がけた人で,地球の大気圏がいかに薄い層であるかということをアフリカのナイロビへ取材に行く飛行機の中で実感したと話された。これは地球の環境についての警鐘と受け取った。越宗さんは「少年の事件,エリート官僚の事件など,人の心の安全装置がおかしくなっている。地球益につながる倫理観が大切と思う」とおっしゃった。「地球益」という言葉を初めて聞いた。いい言葉だ。田中さんは「もう二つの文化」といって,北のアイヌの文化と南の沖縄の文化を紹介された。
シンポジウムのあと作陽大学の食堂で立食パーティがあり,そこでは「百人百話」に百回皆勤された人が表彰を受けられた。
中さんと話をすることができ,「百人百話」で知ることができた小関智弘さんのことと,講座に呼んでほしい山下惣一さんのことを伝えた。惜しむらくは中さんと記念写真を撮るのを忘れたことだ。学長には「百人百話」の第2期の開講をお願いした。
この講座に参加する楽しみのもうひとつは,講座の前,学生によるミニコンサートを聞くことだった。それと大学の図書館が利用できることだ。かなり探していた本がここの図書館で見つけることができ,とてもうれしかった。
9月16日(日)晴れ
久々のからっとした青い空が広がる。秋である。夕べは秋祭りの準備委員会の寄り合いがあった。
9時過ぎに帰宅すると玄関あたりから甘いにおいが漂ってくる。目をこらすと「月下美人」が咲いているではないか。今年はいつも咲いたのを見逃してきた。急いで部屋の中へ持ち込み写真をとった。きのう咲いたのは小さい鉢のものだ。一夜限りで翌朝にはしぼんでしまうはかない花の命である。
9月15日(土)雨のち曇り
職場の退職者と在職者との交流会があり出席した。なつかしい諸先輩が一堂に会し,思い出話に花が咲いた。みなさんお若い。自分の方がよほど元気がない。90歳でパソコンをやっておられる大先輩(平田益寿さん)もいらしていた。こっちなどまだまだ洟垂れ小僧だ。元気をいただいた1日だった。以下はその様子
9月13日(木)曇り
11日のアメリカの出来事が頭から離れない。目を疑うような惨劇だった。何のための宗教なのだろうと考え込んでしまう。
9月9日(日)晴れ
きのうきょうとかなり暑かった。台風の関係だろうか。夕方畑を管理機で耕した。
夜はクーラーがないと寝付けないほどだった。
9月8日(土)晴れ
我が家の回線もADSLとなった。その快適さといったらISDNの約20倍の速さだ。速さも安定している。もうこの速さを知ったら元には戻れない。動画などの取り込みもとてもなめらかである。ダウンロードもあっという間に済む。
何よりうれしいのはアナログ回線にもどり電話の基本料が安くなったことである。
9月2日(日)曇り
今朝は町内一斉空きかん拾いをする。といっても家の周りは環境衛生の意識に厚く心なく捨てられた空きかんは見あたらなかった。とても結構なことだ。作業はそこそこにふだんあまり顔を合わすことが少ない人と立ち話をして解散した。
久しぶりに宮部みゆきさんの長編を読む。初の文庫書き下ろしで『R.P.G』(集英社文庫)。やはりこの人の新刊が出ると何はさておき読ませていただかないといけない。ネットのことがベースにあり,舞台劇のようでありなおさらおもしろかった。それにいろんなことを教えられるミステリーであった。
この話には『模倣犯』と『クロスファイア』に出てきた登場人物が再登場する。我が家ではyoshikoさんがいま『模倣犯』の上を読んでいる。大作なのでなかなか進まないらしい。『模倣犯』をよんだら『R.P.G』がおもしろくなるといってはいる。
9月1日(土)晴れ
きょうから新学期,高校生は登校した。宿題は済ませて行ったのだろうか。
8月の初めから通っている整形外科に行く。4回目の膝への注射をしてもらった。先生は「まあ老化現象のひとつじゃから」とあっさり言われた。あんまり冷やさないように膝の筋肉を緊張させる体操をしなさいとも言われた。
わが師匠も足や腰の痛みに悩んでいる。この人は山道を農作業のために何十年と上り下りしたためであるからいわば勲章である。
こっちは,まだこれから畑を上り下りしなければならないのに,この調子では先が思いやられる。
それでもきのうは泌尿器科の先生の治療を受け,きょうは整形外科の治療を受け,9月からのいろいろなことへの準備が整った気分ではある。
コオロギの鳴き声が一段と大きくなった。