もうひとつの楽しみは演劇を鑑賞することです

現在「倉敷市民劇場」という鑑賞サークルに所属して,年に6回ほど芝居を見ています。地方にいて一流の役者によって演じられる生の演技にふれられることを至福の時間と感じています。
最近見たもの見る予定のもの(主に玉島文化センターにおいて)

申し込みはこちら→玉島の方なら(086)526−8027へ(玉島演劇鑑賞会

年 月 日 演劇(例会) 劇 団 名 感   想   な   ど
01.1.22 モンテ・クリスト伯 文学座 厳窟王で有名ですが,復讐の思いがだんだんと大きな人間愛に変わっていく様子が,長い長いせりふから伝わってきました。また見たい芝居です(内野聖陽主演)
01.3.4 幸せの背くらべ 劇団NLT(演出高橋昌也) 黒柳徹子さんと木村有里さんのベテラン女優による喜劇だったが,内容はとてもシリアス。なかなかきわどいせりふもあり,観客はにんまりとしたところもあるが,人生の幸せの時季はいつかと問いかけられる。真堂藍さんの演技も新鮮
01.5.28 ほにほに,おなご医者(せんせい) 劇団文化座 主演佐々木愛さんによる女医先生の奮闘記。「サンダカン八番娼館」以来である。文化座の公演はどれも明治大正昭和を一生懸命逆境に耐えて生き抜いた女性を描いている。文化座は佐々木愛さんを支えるすばらしい俳優たちのいる劇団だと思う。療養中の鈴木光枝さんを岡山の治療院から講演のため玉島の西爽亭(さいそうてい)まで車でお連れしたのが平成11年のこと。朗読劇「あの人は帰ってこなかった」の一節を読んでくださったのが昨日のことのように思い出される。
01.7.28 セイムタイム・ネクストイヤー 加藤健一事務所 オープニングからどぎもを抜かれる。同衾した男女がベッドにおり,男があわててパンツをはくのを見ている女から最初のせりふが発せられる。それから1年に一回同じ日に同じ場所で会うというドラマが始まる。不倫のラブストーリーだが原作のうまさとカトケンさんと高畑さんの熱演により,笑いとさわやかさをいただいたとてもシリアスな芝居だった。
01.10.6(土)
愛が聞こえます 青年劇場(高橋正圀作,松波喬介演出) やはり高橋正圀さんによる芝居はすばらしい。「遺産ラプソディ」「キッスだけでいいわ」もよかったが,今回も笑って泣いた。ヤンババ(小竹伊津子さん)が「この子(政志)はうちの救い神なのよ」といった言葉が忘れられない。
01.11.24(土) ウィンザーの陽気な女房たち 無名塾 シェイクスピア最大の喜劇。予想したとおり小田島雄志さんの訳によるだじゃれの洪水だった。あけすけな卑猥な言葉がだじゃれと一緒に飛び交うが,わっはっはとわらいとばす陽気さはこの劇の持つおおらかさからであろう。
02.2.3(日) 谷間の桜(炭谷小梅物語) 劇団こすもす 中学の同級生の紹介ではじめて接した劇団こすもす。こんなすばらしい劇団があるとは知らなかった。灯台下暗しである。
02.2.17(日) 雪国 地人会 川端康成原作の『雪国』。木村光一演出 宮本 研脚本
篠田三郎さんはあの二枚目。床嶋佳子さんも超美人
床嶋さんは前夜の土曜ワイド劇場「おかしな二人」に出演していたのでより身近に感じた。
舞台は女性側から見た複雑な女性心理が強調されたものだったのだろうか。葉子という女性も不思議だった。
02.4.23(火) 黄金色の夕暮 劇団俳優座 山田太一作 安井武演出
現職検察官が逮捕(4月22日)されるという現実があったので,検事が出てくるこのドラマ(それも家庭の中に)に観客もより親近感(?)を感じたのではなかろうか。家族のちからを感じさせてくれる芝居だった。山田さんの「異人たちとの夏」をもう一度見たくなった。
02.6.9(日) ら抜きの殺意 テアトル・エコー 永井 愛 作・演出
舞台が会社の倉庫兼事務所という設定なので大道具小道具がいっぱいだった。「荷下ろし」を手伝って鑑賞した。管理人の使っているジャストシステムのワープロソフト「一太郎」の日本語変換システムATOKは「ら抜き言葉」をチェックしてくれるが今はチェックをはずしている。「いつでも見れる」でもいいじゃないの
7月22日(月) 奇蹟の人 東京演劇アンサンブル W・ギブソン作 広渡常敏 台本・演出
いわゆるかぶりつきで観た。ヘレンとサリヴァン先生のせりふが2メートル先から聞こえてくるのである。もっともヘレンのせりふはない。ほんとうにwater(水)が飛び散ってきた。
9月22日(日) こまつ座 井上ひさし作,木村光一演出
やっと見させていただきました。何年も前に戯曲を読んだだけだからストーリーも忘れていた。笑い転げていたらそれは藩の存亡をかけての大芝居だったとは。席は天井に近かったので三田和代さんと辻萬長さんの細やかな表情が見えなかったものの,かなりきわどいせりふも多くあったのでちょうどよい距離ではあった。
12月22日(日) セールスマンの死 無名塾 残念ながら例会欠席
2月16日(日) かの子かんのん 民藝 小幡欣治作 児玉庸策演出
岡本かの子という人のことが明らかになる。奇才岡本太郎の母ということに納得もする。仏教研究家でもあったのか。痔持ちでもあった。親近感がわいた。
3月30日(日) 壁の中の妖精 木山事務所 春風ひとみ
03.5.25(日) 缶詰 文学座 水谷龍二作,鵜山 仁演出 
高度成長期を一身に背負ってきた団塊の世代が反撃を受ける立場となった。英語のフォークソングをあまり意味もわからず歌っていたあのころがなつかしい
03.7.13(日) 頭痛肩こり樋口一葉 こまつ座 井上ひさしさんこまつ座旗揚げ公演の作 今回で70回公演という
見ました。16年ぶりの頭痛肩こりでした。あのときの夏子は「あめくみちこ」さんでした。有森也実さんもよかった。
03.9.28(日) 十二夜 俳優座 シェイクスピア作,佐竹修演出
俳優座の若手によるエネルギッシュな舞台だった。ミュージカルなので生の演奏もよかった。
翻訳劇なのに何でだじゃれがぴったりはまるのだろうといつも不思議に思う。
03.11.24(月) 三人吉三巴白波(さんにんきちさともえのしらなみ) 前進座 作河竹黙阿弥
歌舞伎を出前してくれるのが前進座だ。
この歌舞伎は当時の世話物ということだが,もらった解説に家族が崩壊していく様を映し出しているとか。現代にも通ずるところがある。
「山崎屋!」と桟敷から声をかけていた人がいたが,よほどの見巧者でないとタイミングがわからない。
04.2.11(水) アントニーとクレオパトラ エイコーン企画 作シェークスピア,演出アレクサンドル・マリーン
栗原小巻さんと津嘉山正種さんの熱い演技を至近距離で見た。
04.4.24(土) 喜劇キュリー夫人 青年劇場 演出飯沢 匡
お元気な黒柳徹子さんによる喜劇仕立てのもの。
今回は倉敷芸文館で観た。
04.6.13(日) 雁の寺 地人会 水上勉作,木村光一演出
04.7.19 アンネの日記 劇団民芸
04.9.19(日) 遙かなる甲子園 関西芸術座 戸部良也作,西岡誠一脚色,鈴木完一郎演出
04.12.7(火) 家路 文学座
平石耕一作,藤原新平
05.2.13(日) 冬物語 幹の会+リリックプロデュース シェイクスピア作,小田島雄志訳,平幹二朗演出
05.4.4(月) 出雲の阿国 前進座 有吉佐和子原作,津上忠脚色,鈴木龍男演出
05.6.5(日) オスカー 劇団NLT クロード・マニエ作 鵜山 仁演出
05. はだしのゲン 木山事務所 中沢啓治作,木島恭脚本作詞演出
05.10.10(月) いろはに金平糖 劇団文化座 堀江安夫作,鈴木完一郎演出
05.12.4(日) ドライビングミスデイジー 劇団民芸,無名塾 アルフレッド・ウーリー作,丹野郁弓訳・演出 奈良岡朋子,仲代達矢
06.2.11(土) 昨日までのベッド 地人会 木村光一演出,鳳 蘭,篠田三郎
06.3.24(金) 殺陣師段平 劇団青年座 長谷川幸延作,鈴木完一郎演出,津嘉山正種
06.5.28(日) アラビアンナイト 文学座
06.7.23(日) 紙屋町さくらホテル こまつ座 井上ひさし作,鵜山 仁演出
06.10.15 夜の来訪者 俳優座劇場 J.B.プリーストリィ作,西川信広演出
06.12.3 ステッピング・アウト ピュアーマリー
07.2. 踏み台
07.4.14 きょうの雨あしたの風 俳優座
07.5.20(日) 嫁も姑も皆幽霊 劇団NLT
07.7.16 山彦ものがたり 山彦の会
07.9.25 令嬢ジュリー エイコーン 栗原小巻さんを肉眼で見たのがこれで3回目!
08.6 夢があるから 劇団スイセイ
08.7.20 銃口 前進座
08.10.11 宴会泥棒 劇団NLT
08.11.30 天国までの百マイル 劇団文化座 浅田次郎作,八木柊一郎脚本,原田一樹演出
09.1.24 新 裸の大将放浪記 海流座 芦屋小雁脚本,米倉斉加年脚本演出
09.4.5 みにくいあひるの子
09.5.31 菜の花らぷそでぃ
09.7.19 五重塔 前進座
09.10.10 12人の怒れる男たち 俳優座
09.11.15 ゆれる車の音 文学座
2023.11.4 ある八重子物語 民芸&こまつ座

有名な芝居のさわりを散りばめたこの舞台。また、その時代の空気を味わうことができ、それが一人ひとりの配役の口から出る地のせりふ。井上芝居が満載でしたね。そして、東京下町の風情にも浸りました。

 テレビがない時代、芝居や映画が庶民の娯楽だったころ、同じ傾向の芝居好きがそろうのもごく自然。当て書きをしたように篠田さん、有森さんらの上手く上品なしゃべりにうっとりしました。新入会会員も塩田さんの演技に惚れ、時間を感じなかったと言います。

 新派とか新劇とか女形とかはよくわかりませんが、水谷八重子さんは素晴らしい女優さんだったということはこの芝居でわかりました。

 柳橋の情緒といえば、場面展開に使用した橋を描いた紗幕(しゃまく)がよくそれを醸しだしていましたね。舞台を組み立てる前にiいのいちばんに吊るすそうです。ブレヒト幕というそうで、荷下ろしの時、知りました。紗幕ですから、照明の当て方で、奥の様子を見せたり、見せなかったり自在です。橋の向こうに、柳橋界隈の風景を描いた別の幕も見えました。

2024.2.3 マミイ プリエール 熊谷真実,モロ師岡,矢野陽子,砂田桃子,渡邊裕太,中島愛子

以前書いたもの「観劇の楽しみ」
       「小沢昭一さんにインタビュー」
       「マルセ太郎さんのこと」
       「山下惣一さんと小関智弘さん」 
       「鈴木光枝さんを御案内したときのこと」
       演じること舞うことそして語ること(藤村志保さんのお話)」
       「観劇の楽しみ2」
市民劇場は会費会員制により,会員相互の運営で芝居を楽しもうというものです。その運営も民主的で例会(演目)もアンケートにより選ばれます。全国組織です。わたしなどは井上ひさしさんの芝居なら何でも見たいと思いますが,なかなか選ばれません。
もし興味がおありでしたら,倉敷の方でしたら(086)424−6730へ,玉島の方なら(086)526−8027へ(玉島演劇鑑賞会),児島の方なら(086)473−8488へ申し込んでください。
       

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